基本情報
- 業種:フィットネス(AI搭載マシンを用いた女性専用パーソナルジムを展開するフランチャイズ本部)
- 規模:管理部門の体制整備が途上の段階(支援開始時点)
- 経理体制(着手前):経理担当者が不在。決算は年次でしか行えておらず、月次・部門別(店舗別)に損益を把握できる体制が整っていない状態。フランチャイズ本部特有の会計処理(加盟金の前受計上、ロイヤルティ収入の原価区分等)も未整理でした。
- きっかけ:当社からの営業アプローチ。折しも経理担当者が不在で、求人募集をかけていたタイミングでした。
着手前の状況
この会社は、AIを搭載したフィットネスマシンを用いた女性専用パーソナルジムを、フランチャイズ本部として展開していました。直営店の運営に加え、加盟店への経営指導や機材提供、システム導入、研修までを担う、いわば「店舗を増やすための仕組み」そのものを提供する事業です。
ところが、その本部の足元では、管理部門の整備が追いついていませんでした。当社が関与を始めたのは、経理担当者が不在で、求人募集をかけていたタイミングです。決算は年に一度行うのが精一杯で、月次で、しかも店舗別に損益を確認できる体制はありませんでした。
さらに、フランチャイズ本部には特有の会計処理があります。加盟店から受け取る加盟金をどう前受として扱い、期間で按分するか。ロイヤルティ収入を本部と地域パートナーでどう原価区分するか。こうした論点が整理されていません。事業の拡大に伴って、資金調達や資本政策、海外からのマシン仕入れ、自社システムの開発に伴う会計処理など、向き合うべきテーマも広がっていました。そして会社は、成長を受けて株式上場(IPO)を目指す方針を固めつつありました。求められる管理水準は、一気に上がろうとしていたのです。
取り組んだこと
最初に取り組んだのは、「毎月、店舗ごとに損益が見える」土台をつくることでした。年に一度しか決算ができなかった状態から、月次・部門別(店舗別)に損益を確認できる体制を、半年で立ち上げました。
その土台の上に、フランチャイズ本部ならではの会計処理を整理しました。加盟金の前受計上と期間按分、ロイヤルティ収入の原価区分(本部の取り分と地域パートナーの取り分)といった論点を整え、決算の正確性と再現性を高めています。
さらに、事業の広がりに合わせて、専門性の高い処理へと踏み込みました。増資への対応や株価算定の根拠資料づくりといった資本政策まわり、繰延税金資産の回収可能性の検討、固定資産の減損や資産除去債務の検討、海外取引や自社システム開発に伴う会計処理——監査法人とも詰めながら、上場準備でも問われる水準の体制を整えていきました。あわせて、証券会社による予備調査への対応や質問資料の整備、経理規程をはじめとする社内規程の整備、管理部門の人員体制の拡充まで支援しています。
結果
- 年次決算しかできなかった状態を、半年で月次・部門別(店舗別)の損益を確認できる体制まで引き上げました。
- フランチャイズ本部特有の会計処理(加盟金の前受・ロイヤルティの原価区分等)を整理し、決算の正確性と再現性を高めました。
- 繰延税金資産の回収可能性の検討など、専門性の高い決算処理の体制を構築しました。
- 証券会社による予備調査への対応を含め、上場を見据えた資料整備と社内体制の構築を支援しました。
- 経理規程をはじめとする社内規程を整備し、属人化していた経理業務を標準化しました。
現在
本格的な体制構築の段階を経て、現在はグループ関連会社を含めた資金繰り管理を中心に、事業のフェーズに合わせて関与度を調整しながら、継続的に支援しています。
立ち上げ期の足元の経理から、専門性の高い会計処理、そしてグループ全体の資金繰りまで——局面ごとに必要な役割を変えながら、長く伴走を続けている案件です。
